玄米と米糠(胚芽・表皮)を麹菌で発酵させた食品FBRA(ふぶら)の学術研究
FBRA(ふぶら)には、ラットの胃の発がんを抑制する作用があることが示されました。
※この結果は直ちにヒトに適応できるものではありません
Preventive effect of fermented brown rice and rice bran on N-methyl-N‘-nitro-N-nitrosoguanidine-induced gastric carcinogenesis in rats.Tomita H, et al., Oncol Rep., 2008
岐阜大学大学院 医学系研究科 腫瘍制御学講座 腫瘍病理学分野
発がん剤(NMBA)を使った胃がんの発がんを、FBRA(ふぶら)が抑えるかどうかを調べました。ラットを以下の3つのグループに分け、胃がんの発生率を比較しました。
*p<0.05
ラットAFBRA(ふぶら)のない普通食を与えたグループ
ラットBFBRA(ふぶら)を含む餌を発がん誘発時に与えたグループ
ラットCFBRA(ふぶら)を含む餌を発がん誘導後に与えたグループ
その結果、FBRA(ふぶら)を含む餌を発がん誘発時に与えたグループ、発がん誘導後にFBRA(ふぶら)を与えたグループにおいて、総悪性腫瘍の発生率が普通食を与えたグループと比べて有意に低くなりました。
また、発がん誘導後にFBRA(ふぶら)を与えたグループにおいては、良性腫瘍を含めた増殖性病変の発生率も有意に低くなりました。
「がん」とは、細胞増殖が自律的に制御されなくなった細胞の集団のなかで、周りの組織に悪影響を与える細胞集団のこと。「悪性腫瘍」とも呼びます。また、周りの組織に悪影響を与えないものは「良性腫瘍」「異形成」「ポリープ」などと呼ばれています。
多くのがんは正常な組織から突然発生するわけではなく、「前がん病変」や「良性腫瘍」を経て段階的にがん化すると考えられています(多段階発がん説)。「前がん病変」はある特性の遺伝子に突然変異が生じて発生します。この細胞に更に突然変異が起こり、遺伝子の異常が蓄積することで、「良性腫瘍」を経て「悪性腫瘍」へと進行すると考えられています。
人は通常に生活していても、毎日数千個単位で遺伝子の突然変異が生じていると言われます。しかし健康な人の場合は、細胞の自己修復や免疫系による排除が行われるので、直ぐにがん化する訳ではありません。
しかし、一度がん化するとその後の経過は早く数年で進行がんとなり転移を起こします。
※形式上順番に記載していますが、異形成と上皮内がんはしばしば共存するので、両者の間は必ずしも明瞭な区別がつけられない場合が多いです