玄米と米糠(胚芽・表皮)を麹菌で発酵させた食品FBRA(ふぶら)の学術研究
FBRA(ふぶら)抽出液には白血病細胞株の増殖を抑える働きがあることが示されました。
※この結果は直ちにヒトに適応できるものではありません
Fermented Brown Rice Extract Causes Apoptotic Death of Human Acute Lymphoblastic Leukemia Cells via Death Receptor Pathway.
Horie Y. et al., Appl. Biochem. Biotechnol., 2015.
白血病細胞(Jurkat)にFBRA(ふぶら)抽出液を加えることで、白血病細胞の増殖が抑えられるかを調べました。
FBRA(ふぶら)抽出液を加えると、がん細胞の生存率が低下することがわかりました。さらにFBRA(ふぶら)抽出液の濃度が高いほど、低下させる効果が高いことがわかりました。
どのようなメカニズムで抑えているかを調べた結果、
FBRA(ふぶら)に含まれる成分が、細胞膜に存在するスイッチ(デスレセプター)に作用し、これが引き金となってがん細胞の自殺(アポトーシス)を誘導していることが示唆されました。
「がん」とは、細胞増殖が自律的に制御されなくなった細胞の集団のなかで、周りの組織に悪影響を与える細胞集団のこと。「悪性腫瘍」とも呼びます。また、周りの組織に悪影響を与えないものは「良性腫瘍」「異形成」「ポリープ」などと呼ばれています。
多くのがんは正常な組織から突然発生するわけではなく、「前がん病変」や「良性腫瘍」を経て段階的にがん化すると考えられています(多段階発がん説)。「前がん病変」はある特性の遺伝子に突然変異が生じて発生します。この細胞に更に突然変異が起こり、遺伝子の異常が蓄積することで、「良性腫瘍」を経て「悪性腫瘍」へと進行すると考えられています。
人は通常に生活していても、毎日数千個単位で遺伝子の突然変異が生じていると言われます。しかし健康な人の場合は、細胞の自己修復や免疫系による排除が行われるので、直ぐにがん化する訳ではありません。
しかし、一度がん化するとその後の経過は早く数年で進行がんとなり転移を起こします。
※形式上順番に記載していますが、異形成と上皮内がんはしばしば共存するので、両者の間は必ずしも明瞭な区別がつけられない場合が多いです