玄米と米糠(胚芽・表皮)を麹菌で発酵させた食品FBRA(ふぶら)の学術研究
FBRA(ふぶら)は、がん細胞の自殺(アポトーシス)を誘導することにより、マウスの胸腺リンパ腫の発生を抑制することが示されました。
※この結果は直ちにヒトに適応できるものではありません
Preventive Effects of Fermented Brown Rice and Rice Bran on Spontaneous Lymphomagenesis in AKR/NSlc Female Mice.
Kuno T. et al., Asian Pac J Cancer Prev, 2018
名古屋市立大学 大学院医学研究科 実験病態病理学
生まれつき胸腺リンパ腫を発症するマウス(AKRマウス)に、FBRA(ふぶら)を食べさせることで胸腺リンパ腫が抑制されるかどうかを調べました。
AKRマウスを、FBRA(ふぶら)入りの餌を与えるグループ、普通食を与えるグループに分けて、26週間飼育し、胸腺リンパ腫の発生率を調べました。
FBRA(ふぶら)入りの餌を与えたグループでは、胸腺にリンパ腫ができたマウスの個体数が少なくなりました。
胸腺リンパ腫発生率(%)
*p<0.05
また、アポトーシス(がん細胞の自殺)を起こしたリンパ腫細胞の数を比較したところ、FBRA(ふぶら)入りの餌を与えたグループのほうが、多く観察されました。
平均アポトーシス細胞数/HPF
*p<0.01
「がん」とは、細胞増殖が自律的に制御されなくなった細胞の集団のなかで、周りの組織に悪影響を与える細胞集団のこと。「悪性腫瘍」とも呼びます。また、周りの組織に悪影響を与えないものは「良性腫瘍」「異形成」「ポリープ」などと呼ばれています。
多くのがんは正常な組織から突然発生するわけではなく、「前がん病変」や「良性腫瘍」を経て段階的にがん化すると考えられています(多段階発がん説)。「前がん病変」はある特性の遺伝子に突然変異が生じて発生します。この細胞に更に突然変異が起こり、遺伝子の異常が蓄積することで、「良性腫瘍」を経て「悪性腫瘍」へと進行すると考えられています。
人は通常に生活していても、毎日数千個単位で遺伝子の突然変異が生じていると言われます。しかし健康な人の場合は、細胞の自己修復や免疫系による排除が行われるので、直ぐにがん化する訳ではありません。
しかし、一度がん化するとその後の経過は早く数年で進行がんとなり転移を起こします。
※形式上順番に記載していますが、異形成と上皮内がんはしばしば共存するので、両者の間は必ずしも明瞭な区別がつけられない場合が多いです