玄米と米糠(胚芽・表皮)を麹菌で発酵させた食品FBRA(ふぶら)の学術研究
FBRA(ふぶら)には、マウスのがん細胞の肝転移を抑制する作用があることが示されました。
※この結果は直ちにヒトに適応できるものではありません
FBRA(ふぶら)の抗腫瘍転移と免疫活性
Antimetastatic and immunostimulatory properties of fermented brown rice Sakurai H. et al., Journal of Traditional Medicines, 2006
富山大学和漢医薬学総合研究所 病態生化学分野
肝臓へのがんの転移を、FBRA(ふぶら)が抑えるかどうかを調べました。マウスの門脈に結腸がん細胞(colon26細胞)を移植すると、肝臓にがんが転移します。マウスを2つのグループに分け、転移肝がんの量を比較しました。
*p<0.01
マウスAFBRA(ふぶら)のない普通食を与えたグループ
マウスBFBRA(ふぶら)を10%含む餌を与えたグループ
その結果、FBRA(ふぶら)を10%含む餌を与えたグループにおいて、がん細胞の肝転移が抑制されることが示されました。
さらにマウスからマクロファージを採取し、免疫増強作用を調べました。
*p<0.05
マウスAFBRA(ふぶら)のない普通食を与えたグループ
マウスBFBRA(ふぶら)を10%含む餌を与えたグループ
FBRA(ふぶら)を10%含む餌を与えたグループのマクロファージは、刺激を与える(LPS刺激)ことで活性化する (IFN-γ産生量が増加する )ことが示されました。
「がん」とは、細胞増殖が自律的に制御されなくなった細胞の集団のなかで、周りの組織に悪影響を与える細胞集団のこと。「悪性腫瘍」とも呼びます。また、周りの組織に悪影響を与えないものは「良性腫瘍」「異形成」「ポリープ」などと呼ばれています。
多くのがんは正常な組織から突然発生するわけではなく、「前がん病変」や「良性腫瘍」を経て段階的にがん化すると考えられています(多段階発がん説)。「前がん病変」はある特性の遺伝子に突然変異が生じて発生します。この細胞に更に突然変異が起こり、遺伝子の異常が蓄積することで、「良性腫瘍」を経て「悪性腫瘍」へと進行すると考えられています。
人は通常に生活していても、毎日数千個単位で遺伝子の突然変異が生じていると言われます。しかし健康な人の場合は、細胞の自己修復や免疫系による排除が行われるので、直ぐにがん化する訳ではありません。
しかし、一度がん化するとその後の経過は早く数年で進行がんとなり転移を起こします。
※形式上順番に記載していますが、異形成と上皮内がんはしばしば共存するので、両者の間は必ずしも明瞭な区別がつけられない場合が多いです