玄米と米糠(胚芽・表皮)を麹菌で発酵させた食品FBRA(ふぶら)の学術研究
FBRA(ふぶら)の摂取によって、マウスのⅠ型糖尿病の発症が遅延することが示唆されました。
※この結果は直ちにヒトに適応できるものではありません。
Ⅰ型糖尿病自然発症モデルマウスに対するFBRAの予防効果
Preventive effect of fermented brown rice and rice bran on spontaneous type 1 diabetes in NOD female mice
Kataoka, K. et al., J. Funct. Foods, 78, 104356 (2021).
子どもや若者を中心に発症する「Ⅰ型糖尿病」。Ⅰ型糖尿病は、インスリンを作る膵島のβ細胞が、自身の免疫細胞により破壊される自己免疫疾患の一つです。β細胞が破壊されると、インスリンの合成と分泌ができなくなります。その結果、血糖値のコントロールが不十分となり、糖尿病を発症します。発症後は一生、インスリン注射を打ち続ける必要があります。毎年約1万4千人の患者さんが発症しています。
本研究では、Ⅰ型糖尿病を自然発症するマウス (NODマウス) にFBRAを食べさせ、Ⅰ型糖尿病の発症に対するFBRAの効果を確認しました。
普通食の餌で育てたマウスと、FRBAを0.5%含む餌で育てたマウスと、Ⅰ型糖尿病の発症率を比較した結果を示します。
30週齢の段階で、普通食を与えた群では67%のマウスが糖尿を呈したのに対し、FBRAを含む餌を与えた群では33%のマウスが糖尿を呈しました。
このマウスは通常、インスリンを作る膵島に炎症が進行しますが、FBRAを摂取したマウスは、膵島に起こる炎症のスコアが低く抑えられていました。
炎症が進行すると膵島が破壊されてしまいます。膵島の様子を顕微鏡で観察したところ、 FBRAを摂取したマウスでは、損傷の無い膵島の割合が多く残っていました。