玄米と米糠(胚芽・表皮)を麹菌で発酵させた食品FBRA(ふぶら)の学術研究
FBRA(ふぶら)には、ラットの肝炎発症を緩和する作用があることが示されました。
※この結果は直ちにヒトに適応できるものではありません。
発酵玄米の劇症型肝炎発症LECラットの肝炎進行に対する抑制作用
Inhibitory effects of fermented brown rice and rice bran on the development of acute hepatitis in Long-Evans Cinnamon rats.Shibata T. et al., Oncology Reports, 2006
遺伝的に肝炎を発症するラット(LECラット)にFBRA(ふぶら)を食べさせ、FBRA(ふぶら)が肝炎の発症を抑えるかどうかを調べました。LECラットを以下の3つのグループに分け、肝炎の発生率を比較しました。
LECラットは肝臓の組織に銅が蓄積し、その結果 活性酸素の一種(ヒドロキシラジカル)が過剰に発生することで肝炎が発症します。
FBRA(ふぶら)を含む餌を食べたラットも肝臓に銅が蓄積されていたので、FBRA(ふぶら)がヒドロキシラジカルの発生抑制・発生したヒドロキシラジカルの消去に作用していると推測されます。
細菌による感染・外傷など身体が有害な刺激を受けた時、傷害から体を防御しようと免疫応答が働きます。その際に生体に出現する現象を炎症と呼びます。主な症状には下記の5つがあります。
※(1)~(4)を「炎症の4徴候」、(5)を含めて「炎症の5徴候」とも呼ばれています。
マクロファージやマスト細胞は、傷害・異物を見つけると「炎症性サイトカイン」という物質を作ります。これを感知した血管上皮細胞には、血中の免疫細胞を呼び寄せる「シグナル」ができます。
「シグナル」に触れた血中の免疫細胞は、血管上皮細胞の間を通り抜け、傷害部分に集まり、有害物・異物を攻撃します。
生体内外からの様々なストレスにより、炎症が起こります。炎症が起きた細胞には「活性酸素」などが発生します。これらの物質は、遺伝子に異常を引き起こすため、がんを抑制する遺伝子にも異常を引き起こし、がんの発生に繋がると考えられています。さらに炎症時に作られる「炎症性サイトカイン」も、がんの増加や転移などを促進すると考えられています。
炎症から発がんに移行する例としては、潰瘍性大腸炎による大腸がん、肝炎ウイルスによる肝発がんなどがあります。